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一番合理的な検査は?

古典的胃癌検診」は、まずレントゲン検査をおこない、異常が見つかったら胃カメラを受けるという方法です。

しかし・・・この方法では「早期発見」が望めません。

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「胃癌ハイリスクグループ」=「慢性胃炎」=「ピロリ菌感染者」

という理論をもとに「新しい胃検診」が提案されています。

(1)ピロリ菌検査と(2)ペプシノーゲン検査(慢性胃炎の検査)で「胃がんのハイリスクグループ」を抽出して最初から胃カメラを、おこないます。(レントゲンはおこないません。)。

ABC検診と呼ばれています。東大で三木一正博士,一瀬雅夫博士により開発されました。

 

当サイトでは、これが胃癌の早期発見にもっとも合理的と主張します。


更に1歩進んで・・・

慢性胃炎の進行する前に(若いうちに)早期にピロリ菌を除菌すれば胃癌は予防できます。

若い人に無理に胃カメラを強いる必要はない。ピロリ菌検査だけをおこない陽性なら除菌をする・・・のが合理的と考えます。ピロリ菌の検査はいくつかありますが下記の理由から「便検査」が第一選択になると予想します。

 

ピロリ菌、と慢性胃炎、胃潰瘍、胃癌の総合サイト

ピロリ菌感染の検査法

大別すると

(1)ピロリ菌を間接的に調べる抗体検査(血液検査)・・・市民検診、会社の検診などで、たくさんの人に低コストで行えるのが特長
(2)ピロリ菌を直接調べる検査・・・・・・基本的には、マススクリーニング向きではありません。

・・・・・・・・・があります。治療の成否の判定には(2)が不可欠です。

(2)の検査は更に・・・・

(A)胃カメラで胃粘膜を採り調べる検査
(B)胃カメラ不要の検査・・・「呼気テスト」と「便検査」

・・があります。中高年者には胃癌検診も兼ねて(A)を勧めます

しかし・・・・胃カメラは、「受けるのが望ましい」ですが必須ではありません。

特に若い人は(1)胃癌の危険が低い(2)除菌による胃癌予防効果が大です。胃カメラへの抵抗から除菌治療が遅れるのは本末転倒です。(B)の胃カメラ不要の検査を受け、治療を優先してもいいと考えます。

では・・・・どの検査が最善なのでしょうか?

感度100%の検査はないので、「二つの検査の併用」も理想です。(検査の偽陰性、偽陽性について・・

しかしながら・・・手間と費用を考えて、あえて一つを選ぶならどれでしょう?

標準的な方法は「胃カメラによる検査」と「呼気テスト」をです。

 当サイトでは便の検査を第一に勧めます。

  現在の日本の標準的な方法 若年者に当サイトが推奨する方法
まず、胃カメラ 不要
潰瘍が診断されたら3へ 不要
胃粘膜を採取しピロリ菌を調べる 自宅で便でピロリ菌を調べる(郵便)
陽性なら治療(来院) 陽性なら治療(来院)
3ヶ月後に呼気テストで判定(来院) 3ヵ月後便検査で自宅判定(郵便)

詳しくは当サイトを管理している本郷メデイカルクリニックのHPをご覧下さい

どのような人が検査すべきか?
これは「胃癌の原因はピロリ菌?」のページでも記述したましたが・・・・
家族に慢性胃炎・潰瘍・胃癌の患者さんのいる若い方」が最も検査が必要なグループと考えます。


便検査について詳しく・・・・

病院で検査するのですか?
その必要はありません。自宅で患者さん自身で検査可能です。

病院で検査する方が正確なのでは?
いいえ。正しく検査をすれば自宅で調べても病院に来て時間をかけても結果は同じです。検査は市販の妊娠検査薬と同じ原理のもので非常に簡単です。(モノクローナル抗体を使ったイムノクロマト法)。必要な時間は10分です

なぜ便の検査は普及していないのですか?
最も新しく開発された検査だからです。また、医師側に「まず胃カメラをすべき」という「固定観念」があるからです。

人間ドックで血液、尿の検査(抗体検査)を受けました。これではだめなのですか?
(1)感染の有無を調べることはできますが除菌判定には正確でありません
(2)菌がいなくても陽性になることがあります。便検査ではこれはありません。治療をするなら「確実に菌がいることが確認される検査」が必要です

呼気テストではだめなのですか?
(1)呼気テストは病院にいって「試薬」を飲み検査をします。便検査は自宅で可能です。
(2)飲む試薬(非放射性同位元素C13)は安全と考えられています。しかし新しい試薬であり添付書には「妊婦、小児への安全性は確立されていない」と記述されています。便検査は試薬を飲む必要は無く赤ちゃんでも検査可能です。
(3)精度は呼気テストがわずかに上まっていますが、現実的には便検査に遜色は無いです


<Q>人間ドックでピロリ菌陽性とでました。除菌しました。でも、若いし胃カメラは受けたくありません。レントゲンもいやです。何か簡単な検査はありますか?
<A>ペプシノーゲン検査(血液検査)が選択肢になります。慢性胃炎(萎縮性胃炎)がどの位、進んでいるか解ります。この方法は直接、胃癌を検出する訳ではなく、「胃癌になり易い状態=慢性胃炎」を検出するものです。しかし、この方法は従来の検診(間接レントゲン法)よりも効率よく胃癌の方を発見することができます。


<Q>その後ペプシノーゲン検査陽性でした。次はどうすれば?
<A>
胃癌のハイリスクです。精密検査である胃カメラを受けるべきです。レントゲン(バリウム)検査はお勧めしません。

<Q>その後ペプシノーゲン検査陰性でした。次はどうすれば?
<A>
胃は萎縮していません。除菌による胃癌の予防効果が大きいです。胃癌のリスクは高くはありません。
若いなら胃カメラが必須とは言えません。

<Q>人間ドックでピロリ菌陰性とでました。もう人生で胃癌になる可能性は無いのですね?
<A>若い方でしたら一般論として胃癌の危険は非常に低いと言えます。ピロリに感染するのは、ほとんどが幼児期なので今後も胃癌検診の必要性は低いといえます。ただし高齢者(進行した慢性胃炎=腸上皮化生)の方は「偽陰性」の場合があります。こちらは胃癌のハイリスクです。「検査の偽陰性、偽陽性について・・」をお読みください。進行した慢性胃炎かどうかは「ぺプシノーゲン検査」でわかります

ペプシノーゲン検査
血液でペプシノーゲンという酵素を測る事で、慢性胃炎の程度が解ります。効率よく「胃癌のハイリスクグループ」の方を見つけられます。 この方法は東大にて三木一正博士により開発されました。三木先生の御好意で私の名前も、この歴史的論文に載せていただきました。

Adv Exp Med Biol. 1995;362:139-43.

The clinical application of the serum pepsinogen I and II levels as a mass screening method for gastric cancer

Miki K, Ichinose M, Kakei N, Yahagi N, Matsushima M, Tsukada S, Ishihma S, Shimizu Y, Suzuki T, Kurokawa K, 

First Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Tokyo.

A considerable number of gastric cancers derive from stomach mucosa where chronic atrophic gastritis is severe and extensive. Based on the fact that the serum pepsinogen levels provide a precise measure of the extent of chronic atrophic gastritis, we have devised a mass screening method involvingserum pepsinogen measurement to identify subjects at high risk of gastric cancer. In 1991, we screened 4,647 workers (male: 4,113, female: 534, mean age: 49.0 years) at a Japanese company using this method. Out of 875 subjects (18.8%) with a serum pepsinogen I level of less than 50 micrograms/liter and a pepsinogen I/II ratio of less than 3.0, 676 subjects (14.5%) were selected for further investigation by endoscopy. This led to the detection of four subjects (0.086%) with gastric cancer (three in an early stage) and four subjects with adenoma. The cancer detection rate of this new screening method was comparable, and in some respects superior, to that of the traditional barium X-ray screening. Since the incidence of test-positive subjects was as low as 10% amongst subjects aged less than 40, this screening method appears to be especially useful for screening of younger generations. The new method is less expensive than the traditional barium X-ray and subjects experience little discomfort. Further, many serumsamples can be quickly measured simultaneously. The results of this study have indicated that serum pepsinogen screening provides a valuable method for detecting gastric cancers.