日本はレントゲンによる胃癌・大腸癌検診を早急に中止すべきである

 

当サイトは慶応大学・近藤誠氏の「癌検診不要論」に反対するために開設されました。しかし近藤氏が文藝春秋(2010年11月号)で「レントゲンによる胃癌検診は有害無益である。被曝により却って癌が増える」と主張していることには全面的に賛成します。

 

胃のレントゲン検診(間接撮影)は早期癌の発見には無意味です(相当進行した癌は見つかります。専門的には「壁の硬化を見つける」といいますが、私も昔、読影の修練にかなり時間を使いました)

「レントゲンによる胃癌・大腸癌検診が被曝と税金の無駄遣いにしかすぎない」ことは今や専門家の常識です

しかし、一度構築された「システム」の改革は極めて難しく、これは「日本の悲劇」としかいえません

要するに・・・・癌検診協会という官僚組織の、柔軟で早急な改革が難しいのです。しかし官僚も、改革が必要なことは理解しています。改革は、ゆっくりですが確実に進行しています


平坦型大腸癌の例・・・内視鏡では明瞭ですが・・バリウム検査では全くわかりません

 

 

 


1ミリの超微小腫瘍なのですが、内視鏡でも見つけるのも至難で「レントゲンでは100%映りません」

しかし、既に一部が陥凹しており・・・・見落としたなら数年後に癌化していたでしょう

 

 

上の4枚はいずれも平坦な深部浸潤大腸癌の写真です
(いずれも手術が必要な段階なのですが、手術前のレントゲンでは病変は見えませんでした)

 


小腸の絨毛です。毛細血管が見えます。特殊な内視鏡でなく現在、最も普及している物ですが、ここまで見えます

しかしながら科学技術の進歩は急速であり内視鏡・レントゲン以外の新しい検査も登場しています。

いつの日かは・・・・このような新しい検査が主役になり、日本が世界に誇る内視鏡も「歴史に幕を下ろす」時が来るかもしれません

当サイトの姉妹サイト「大腸.COM」でこれらを解説していますので,御覧ください(文責:本郷メデイカルクリニック 鈴木雄久)

(1)便中DNAによる大腸癌検診について

(2)P53抗体による大腸・食道癌検診について

(3)CT内視鏡(ヴァーチャル内視鏡)について